一緒に遊ばなくてもつながっている―クライミング・滑り台・音の遊具―

インクルーシブな遊び場には「ゆるやかな関係」が自然に生まれる瞬間があります。
それは、遊具の種類や配置によって、さりげなく生み出されているものです。
今回は、クライミング・すべり台・音の遊具という3つの視点から、「一緒に遊ばなくてもつながる」関係性について見ていきます。

クライミング遊具ー“挑戦”が周りとの関係をつくるー

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クライミング遊具は、自分のペースで挑戦しやすい遊びです。
どこから登るか、どこまで登るか、どうやって登るか。
その選択は、その子自身に委ねられているため、一見個人の遊びに見えるかもしれません。
でも実際には、
・少し先を登っている子
・下で見上げている子
・同じルートに挑戦しようとする子
それぞれの存在が、お互いに影響し合っています。
言葉にしなくても、動きを見て学び合うこともあります。
同じ遊具の中でそれぞれの挑戦がゆるやかにつながって、クライミング遊具は“一緒に頑張る関係”を自然に育てます。

 

すべり台ー繰り返しの中で生まれる距離感ー

草加市 松原団地記念公園
すべり台は、上って滑るというシンプルな遊びです。
でもそのシンプルさこそが、さまざまな関わりを生み出します。
・何度も繰り返し遊ぶ子
・様子を見ながらタイミングを考える子
・そばで見守る子
同じ遊具のまわりに、違う距離感の人が自然と集まります。
順番を守る、間隔をあける、次の人を意識する。
こうした感覚は、ルールとして教えられるものではなく、遊びの流れの中で身についていくものです。
特に、混雑しすぎず、動きが見えやすい設計になっていると、全体の流れがスムーズに保たれます。
すべり台は、「個の遊び」が連続することで、ひとつの流れができる遊具です。

 

音の遊具ー離れていても“同じ遊び”になるー

公園に設置されたインクルーシブ遊具のドラムサークル
音の遊具は、少し離れた場所にいても関われる遊具です。
叩き、鳴らし、響いたその音は、空間を越えて広がっていきます。
・近くで鳴らしている子
・離れた場所で音に反応する子
・リズムを重ねる子
同じ場所に立っていなくても、同じ遊びに参加しているような状態が生まれます。
目を合わせなくても、言葉を交わさなくても、音でつながっている。
こうした関わり方は、人との距離に少し慎重な子や、自分のタイミングで関わりたい子にとっても自然な関わりの入口になります。
音の遊具は「場全体を遊びに変える」装置とも言えるでしょう。

 

”直接関わらない関係”も遊びの一部になる

ここまで見てきた3つの遊具に共通しているのは、必ずしも“直接一緒に遊ばなくてもいい”という点です。
・誰かの動きを見て影響を受ける
・同じ流れの中で、自分のタイミングを見つける
・離れた場所からでも関われる
そうした関係性があることで、遊び場には無理のないつながりが生まれます。
すぐに仲良くならなくても、同じ遊びをしなくてもいい。
それでも、同じ空間の中で少しずつ関係が育っていく。
その余白があることが、インクルーシブな遊び場の大きな特徴です。

 

 

 

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