遊具の色には役割がある?

色が変わると、遊び場の印象も体験も変わる

公園や遊び場を訪れたとき、「この遊具、なんだか楽しそうだな」と感じたことはありませんか。
その第一印象を決める大きな要素のひとつが、遊具の「色」です。
色は単なる装飾ではありません。
子どもたちの気持ちを動かし、遊びへの興味を引き出し、その場所全体の雰囲気をつくる重要なデザイン要素です。
だからこそ、遊び場づくりにおいては「どんな遊具を置くか」だけではなく、
「どんな色で空間をつくるか」も大切な計画の一部になります。
今回は、遊び場づくりにおけるカラー計画についてご紹介します。

子どもたちの「遊んでみたい」を引き出す色

子どもたちは、大人以上に視覚から多くの情報を受け取っています。
広い公園の中でも、色鮮やかな遊具は遠くからでも目に入りやすく、「行ってみたい」「登ってみたい」「触ってみたい」という気持ちを自然に引き出します。
例えば、赤やオレンジは元気で活発な印象を与え、人を前向きな気持ちにさせる色として知られています。
一方、青や緑は落ち着きや安心感を感じさせる色です。
もちろん、「この色が正解」というものはありません。
大切なのは、その遊び場でどのような体験をしてほしいのかを考えながら色を選ぶことです。
思い切り身体を動かしてほしいのか、自然の中でのびのびと遊んでほしいのか、ゆったりと家族で過ごせる場所にしたいのか。
目指す空間によって、ふさわしいカラーは変わってきます。

カラフルな複合遊具

色は「遊び」そのものにも影響する

カラー計画は、見た目の印象だけでなく、そこで生まれる遊びにも関係しています。
鮮やかな色が使われた遊び場は、活気や楽しさを感じさせ、自然と体を動かしたくなる雰囲気をつくります。
反対に、木や土を連想させるナチュラルな色使いの空間では、周囲の自然と一体になったような感覚が生まれ、ゆったりと遊ぶ雰囲気がつくられます。
遊具の色を抑えることで、木々や芝生、空の色がより引き立ち、自然環境を感じながら遊べる空間になるのです。
色は単なるデザインではなく、その場所でどのような遊びが生まれるかを支える要素とも言えます。

近年増えている「アースカラー」の遊具

ショッピングモール内のアースカラーのキッズスペース

以前は「遊具はカラフルであるべき」という考え方が一般的でした。
しかし近年では、ベージュやブラウン、ダークグリーンなどのアースカラーを採用する施設が増えています。
その背景には、景観との調和を大切にする考え方があります。
例えば自然公園では、鮮やかな色の遊具が周囲の景色から浮いてしまうことがあります。
一方で、木々や土の色になじむカラーを採用することで、遊具も含めた風景全体に一体感が生まれます。
また、ホテルや宿泊施設では落ち着いた色調の遊具を導入することで、
施設全体の世界観を崩さず、洗練された空間を演出することができます。
保護者にとっても居心地の良い環境になりやすく、長く滞在したくなる空間づくりにもつながります。
もちろん、アースカラーだけが優れているわけではありませんが、
落ち着いた色をベースにしながら、一部に鮮やかなアクセントカラーを取り入れることで、
景観性と遊びの楽しさを両立することもできます。

遊具だけでなく、景観との調和を考える

キッズガーデン広場

遊び場のカラー計画で重要なのは、遊具だけを見て色を決めないことです。
空間を構成する要素は遊具だけではありません。
床材、ベンチ、サイン、フェンス、植栽、建物外観など…周囲のすべてを含めて考えることで、統一感のある魅力的な空間になります。
例えば商業施設であれば、建物のブランドイメージに合わせた色使いが求められるかもしれません。
リゾート施設であれば、非日常感や特別感を演出するカラーがふさわしい場合もあります。
また、地域の景観計画や街並みとの調和を求められるケースもあります。
遊具単体では魅力的でも、周囲とのバランスが取れていなければ、その魅力は十分に発揮されません。
だからこそ、遊び場づくりでは「遊具を選ぶ」のではなく、「空間をデザインする」という視点が大切になります。

インクルーシブな視点から考える色

色は安全性や使いやすさにも大きく関わっています。
例えば、
・段差が認識しやすい
・出入口・動線がわかりやすい
・遊びのエリアを区別しやすい
といった工夫は、多様な子どもたちが安心して利用できる環境づくりにつながります。
インクルーシブな遊び場では、年齢や身体能力の違いに関わらず、多くの人が一緒に遊べることが重要です。
そのため、色彩による視認性の向上はもちろん、色だけに頼らず、
形状や素材の違いを組み合わせながら情報を伝えることも大切になります。
誰かにとってわかりやすい空間は、多くの場合、みんなにとっても使いやすい空間です。
カラー計画は、デザイン性だけでなく、利用しやすさの向上にもつながっています。

インクルーシブな遊び場の地面のカラーリング

オーダーメイド遊具だからできるカラー提案

アソビトでは、設置場所やコンセプトに合わせたオーダーメイド遊具のご提案も行っています。
そのため、
・施設のブランドカラーを取り入れる
・地域の特色を表現する
・建築デザインと統一感を持たせる
・自然景観になじませる
・コンセプトに合わせた世界観をつくる
といったカラー提案が可能です。
例えば、海辺のリゾートであれば青やサンドカラーを基調としたさわやかな色使い、
公園であれば自然と調和するグリーンやブラウンを取り入れるなど、場所ごとに最適なカラーを考えていきます。
色の違いは小さなことのように感じるかもしれません。
しかし完成した空間を見たとき、その印象を大きく左右するのがカラー計画です。
だからこそ、私たちは遊具の形や機能だけでなく、色も重要な設計要素として考えています。

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